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差別化・顧客満足を得たアイデア(個性派名刺ネット 前編)

今日のECショップ:個性派名刺ネット

  • 会社名:個性派名刺ネット
  • ショップ名:個性派名刺ネット
  • ショップ開業:2004年
  • 所在地:埼玉県さいたま市
  • サイト運営責任者:豊森直人さん
  • URL:http://www.prpro.jp/


最初は自分自身の営業ツールとして、似顔絵名刺を自分で作成。その後、似顔絵名刺にビジネスチャンスを感じて、事業化。現在は似顔絵名刺の「個性派名刺ネット」以外に「似顔絵年賀状」「似顔絵はがきの挨拶状」といった別サイトも立ち上げている。


今回訪問したのは、似顔絵名刺の製作・販売をする「個性派名刺ネット」の責任者・豊森直人さん。

サラリーマンを辞め、独立準備に入ったとき、どうすれば自分の顔(存在)を相手に覚えてもらえるか考え続け、ふと思いついたのが「名刺に似顔絵を添える」というアイデアでした。

 最初は自分自身のために作った「似顔絵名刺」をどうして事業化させようと思ったのか。事業化にあたり、いかに他店との差別化を図ったのか。豊森さんの話を聞いていきます。

自分の顔を脳裏に植え付けるには、名刺に似顔絵を載せればいい!

豊森さんが「名刺に似顔絵を添える」アイデアを思いついたのは、2004年。独立を模索し、セミナーに参加したとき、自分の名刺の弱さに気付いたからだった。

「何の実績もない私が普通の名刺を作り、名刺交換をしても、1週間もすれば、その相手は『この名刺の人、どんな人だったかなぁ』と忘れてしまいます。それでは名刺を配る意味がないと思いました」

どうすれば、自分の顔(存在)を相手の脳裏に植え付けることができるのか。豊森さんは、名刺に「顔写真」を載せるアイデアを思いつく。

「でも、恥ずかしいんですよね、写真は。それならば似顔絵はどうだろうと考えたんです。似顔絵ではあれば、デフォルメがきくので、恥ずかしさや照れを軽減することができるかなと」

こうして豊森さんは、似顔絵名刺を自分で作成し、配るようになっていった。すると、予想外の出来事が起きた。「その名刺、いいねー」「私も作りたい」という声が、豊森さんのもとに多数届くようになったのだ。

「皆さん、どのように作ればいいのかが分からず、私に『作ってほしい』と依頼してくるケースも多かったんです」

こうした出来事を受けて、豊森さんは「これをビジネスとして展開すれば、面白いことになるかもしれない」と考えるようになる。

「その時点で、ある事業を立ち上げていたのですが、似顔絵名刺には大きな可能性を感じましたね。それで、まずは副業的にやってみようかなと思いました」

先発組の事業を徹底チェックし、差別化を図る

似顔絵名刺のネットショップを立ち上げる決心をした豊森さんは、競合他店の徹底調査を行っていった。

似顔絵名刺のアイデアを思いついた時には気づかなかったが、よくよく調べてみると、1999年ぐらいから「似顔絵名刺」というジャンルは存在していたのだ。

後発組は先発組にはないアイデアを駆使して、事業を行うことが大切であることは間違いない。豊森さんが競合他店をチェックしていくと「一人のイラストレーターのみを立て、その人が似顔絵を書く」スタイルのショップが多いことに気づく。

「イラストって、作者によって画風やタッチがガラリと変わります。さらに『この人のイラストは好きだけど、あの人のは好みじゃない』と、はっきり好みが分かれる傾向が強い。

一人しかイラストレーターがいなければ、その作者のタッチが好きな人しか、お客様になってはもらえません。複数のイラストレーターを立てれば、より多くのお客様を獲得できますし、顧客満足度を高めることもできる。

さらには、他店との差別化にもつながる。そのメリットは計り知れないと思いました」

そこで豊森さんは「5人」のイラストレーターを立てることに決めた。「すっきり個性派」「印象的個性派」「さわやか個性派」などに分け、それに見合ったイラストレーターをラインナップしたのだ。ちなみに、そのラインナップは現在7人になっている。

「本当に様々な画風がありますから、増やそうと思えば、いくらでも増やせます。でも、それだと逆にお客様が迷ってしまう危険性がある。7人ぐらいがベストなんじゃないかなと考えています」

修正は何度でもOKにして、顧客満足度をアップ

5人のイラストレーターを立て「似顔絵名刺」のネットショップを立ち上げた豊森さんは、もう一つ"ウリ"となるサービスを導入した。

「納得がいくまで何度でも修正ができる」というサービスである。

「他店を見ていくと『修正は1~2度まで。その後は有料』というケースが多かったんです。

でも、使う側からしたら、120%満足がいくイラストでないと、相手に配りたいとは思いません。あるいは『似ていないんですけどね』などと言い訳をして配ることになる。

それでは、たとえ一度購入してもらえたとしても、リピート客にはなってもらえません。逆に不信感だけが残ることになります。『修正何度でもOK』は、必須のサービスなんです」

とはいえ、修正回数があまりに多くなってしまえば、事業に支障をきたすことになる。そこで同店では「要望シート」を作り、最初の段階で多くの情報を引き出すようにしている。

また写真をもとにイラストを作成するため、お客さんにできるだけいい写真(顔の表情が分かる写真)を送るように依頼もしている。

その結果「確かに修正回数は少なくできている」と話す豊森さんだが「それでも修正回数をゼロにすることは難しい」と実感している。

「一度出来上がったものを見て、そこから『シワを少なくしてほしい』『もう少し若く見せてほしい」といった要望が出るのが普通なんです。この部分はしっかり割り切らないといけないと思っています

取材:永峰英太郎

「選択できる」というオプションはそれだけで、競争力になる!

ハンドメイドものや、カスタムオーダー、フルオーダーもののサービスを運営する際に一番ネックになってくるのは、カスタマイズの自由度と、修正時の対応。この2点です。

先日、原田の地元•三鷹にあるバーに足を運んだときのこと。
ちょうど時期は11月。ボジョレー解禁日のことでした。

通常ボジョレーといえば、お店に1銘柄その年の代表的なボジョレーを置いておくお店が大半だと思います。そこのバーでは、「3人のボジョレー界の巨匠」の味を飲み比べられるという企画を行っていました。

1人目はワインテイスティング界のトップテイスターが手がけたボジョレー。
2人目は「ボジョレーの指針」と呼ばれるボジョレー界の帝王が手がけたもの。
3人目はそのボジョレーの帝王の甥っ子にあたる人物で、あの「ロマネコンティ」の醸造長就任依頼を固辞したことで一躍有名となった男が手がけたもの。

そして、通常コンビニに置いてある「普通のボジョレー」。

これらを一気に比較しての見比べられるという企画をしていたのです。

ボジョレーというと、それだけでイベント性があるので集客力にはなりますが、こういう特別なストーリーや意図を持った企画にくるむと、なんだかもの凄く興味がわきませんか?

原田はもちろん、この3巨匠の手がけたボジョレーをオーダー。(つまりこれでお店側は3グラス分のオーダーをとれたということになります。)

しかも......のみ終えたころに、マスターがこちらにやってきてこっそりと話しかけるのです。

「原田さん、通常でしたらワイン好きの特別なお客様にしかお出ししていないのですが。もし興味があればですが、実はボジョレーの中には日本人が作ったものがあるんです。とても貴重でめったに出回らないのですが、特別な方にはご提案させて頂いていまして...」

原田は、この話を聞いた瞬間、値段も聞かないままオーダーしていました。

このように、「ボジョレー」ほどにマーケットが確立した商品であっても「誰が作ったか」、「誰が手がけたか」という付加情報や、テイストやタッチの嗜好に応じたラインナップを揃えることで、普通のお店よりもグンと抜きん出た競争力を持つことができるのです。

その作者が作品に込めた「意図」は唯一無二のものですから、それを所有したり、オーダーできたりというある種の選民意識であったり、特別感を得られるという心理的作用が働くからですね。

あなたのお店にも、この発想を取り入れられる部分はありませんか?
あったら、是非それを言語化してみて下さいね。

原田翔太

今日のまとめ
  • 写真→イラストのような「リアル度」を落としたデフォルメーションが「直接さ」を避けたいユーザーを捉えることがある。抽象度をあげることで、そういった要望のあるユーザーを取り込めないか?
  • 既にマーケットが立ち上がっている場合、既存参入者を徹底的にリサーチする。
  • 先行者の「やっていること」に注目してもヒントはない。「やっていないこと」を割り出すと、そこに後発組が突破口を見いだすブレイクスルーへのヒントがある。
  • オーダーメイド商品は「作り手」で勝負する。
  • つまり、「作り手」の表現やタッチ、テイストと、顧客の好む嗜好性をマッチさせるために、「作り手」に関する情報を言語化し、伝える。
  • オーダーものは修正対応力が命。どこまで顧客の要望を吸収し、コストを適正範囲内に納められるか。
  • 逆に修正対応にコストがかかりすぎては儲からない。「修正対応」は「ポリシー」としてきちんとコスト計算を前提にして、打ち出しておくこと。

unitedlinks(2010年12月22日 15:30)
テーマ: ウェブマーケティング工房 リピーター/顧客満足 購入率を上げる工夫 

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(有)ユナイテッドリンクスジャパン代表取締役 (株)ウィルゲート社外取締役 ほか、数社の経営の経営顧問及び協会理事職を 務める。1984年生まれの現在25歳。東京都出身。

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