今日のECショップ:手づくり和菓子「翁屋」
- 会社名:有限会社 翁屋
- ショップ名:手づくり和菓子「翁屋」
- ショップ開業:2006年
- 所在地:茨城県つくば市
- サイト運営責任者:塚越真一さん
- URL:http://www.okinaya.com/

1771年創業の手作り和菓子屋「翁屋」。作家・正岡子規も同店のお菓子を口にしたことがあるという老舗の中の老舗です。実店舗は茨城県下妻市にある下妻店と、同県つくば市にあるつくば竹園店の2店。
そんな翁屋がネットショップを開いたのは2006年2月のこと。売上げアップを図るネットショップの取り組みをじっくり見ていくことにします。
ネットショップは自動販売機ではない!
「ネットショップを始めたきっかけは『月々数万円でもいいから実店舗の売上げの足しになればいい』という軽い気持ちでした」
こう話すのは、手作り和菓子屋「翁屋」8代目の塚越真一さんだ。実店舗を運営中、お客さんから「地方に送りたい」という要望は多かった。
地方に送るニーズがあるならば、合わせて「お取り寄せ」のニーズもあるかもしれない――。こうして塚越さんはネットショップをオープンした。
始めた当初は"ネットショップ=自動販売機"と捉え、ただ商品を並べるだけの状態だった。当然売上げは伸びなかった。それでも母の日が近づくと、ぽつぽつと売れていった。結局、母の日で約20件の売上げがあった。
「実店舗では、茨城在住の方がお客様のメインでしたが、ネットでは全国から注文が入りました。それを見て、これは面白いことになるかもしれない、そう思いました。自動販売機のような売り方ではなく、積極的に仕掛けていけば、新しい販路として成り立つのではないかと」
こうした気持ちになったのは、20件の売上げがあったからだけではなかった。お客さんとの距離感がないことに気付いたことも大きかった。
「メールなどでお客様が喜びの声を送ってくれたんですね。それを見たときに『ネットショップは自動販売機ではないんだ!』と実感しましたね。お客様との距離はあるはずなのに、それを感じさせなかった。ネットショップって面白いなと」
簡易包装が主流のなか、風呂敷包みを導入
ネットショップ運営において、翁屋の塚越真一さんが力を注ぐのは「ギフト」だ。
実店舗でもギフト需要が高く、さらにネットショップでも母の日や父の日などのイベント時、売上げがアップすることが分かり、徐々に充実させていった。
そして09年12月には、新しいギフト戦略を始めた。「風呂敷包み」である。商品を風呂敷に包むという「丁寧な包装」を実施し始めたのだ。
現在のネットショップは「簡易包装」が主流になってきている。消費者間のエコ志向の強まりがその背景にあるが、その一方で、同店にはお客さんから、こんな要望も寄せられていたという。
「贈る側に真心が伝わりにくい、というお声が思いのほか多かったんです。その要望に応えたいと思いました」
とはいえ、エコに背を向けるのは時代錯誤ともいえる。そこで同店が選択したのが風呂敷包みだったのだ。風呂敷包みの上から緩衝材を巻くといった補強は行うが、それでも十分エコであることは間違いない。
実際、風呂敷包みを実施したところ、09年の年末年始だけで100件を超える売上げを達成。
「お歳暮は目上の方に送るケースが多いと思います。そのとき、お客様の心理としては『失礼があってはならない』という気持ちです。その点で、風呂敷包みは最適だったんだと思います」
仏事・法事ページでは、お客さんを悩ませない!
ギフトに力を注ぐ翁屋だが、扱う商品が和菓子だけに「仏事・法事」のために購入するお客さんも多い。
この「仏事・法事」に関して、同店では「お客様を迷わせない」ことに注力してページを構築している。
「仏事や法事って、頻繁に発生するものではないので、お客様はまったく慣れてないんですよね。そのため、どんな商品を選ぶべきなのかで、頭を悩ませていることも多い。そのため商品を絞り込んで、選びやすいようにしています」
「仏事・法事」の特集ページ上では、どのような商品を選べばいいのかを、まずは丁寧に説明している。仏事などに参加した人に持ち返ってもらうため「軽くて小さいもの」がベストであること、あるいは、お供えものであれば「日持ちのするもの」を選んだほうがいいといった具合に、だ。
そしてサイトの上部で具体的に「日持ちする和菓子」を4つ紹介。この4つは2000円クラスから4000円クラスまで取り揃えている。
「ご予算が分かれば、あとは選ぶだけの状態にしています。店側にしてみれば、数多くの商品を並べたいところですが、お客様が来店したとき『何を選べいいか分からない』と、離脱してしまっては意味がありませんから」
なお、サイトの下部には、そのほかのオススメ商品も12個ほど紹介。
「お客様の中には、自分で選びたい方もいらっしゃいます。その方々に対するフォローの意味合いでオススメ商品を一覧にしています」
取材:永峰英太郎
ネットで一度は聞いたことがある「ほったらかしで収入が入る自動販売機」はなぜ手に入らないのか?
今日のポイントはネット通販というものの捉え方についてです。
捉え方というと、「道徳」や「お説教」みたいで、なんだかお金のにおいがしませんよね。
でも、この捉え方=定義をどのように自分の中に持っているかが、実はビジネス自体のスタンスを決めてしまうのです。つまり、どのようにお客さんと関わっていくか、どのような存在になりたいかという「哲学」のレベルで自社のネットショップのあり方を定めてしまう非常に強力なパワーを持っているのです。
ここで一つ考えたいのが「ネット通販自動販売論」。
本文でもこの「自動販売機」という表現が使われていますが、ネットショップ都市伝説の一つとして「ほったらかしでも儲かる、ネットの"自動販売機"を手に入れよう!」みたいなうたい文句を、あなたも一度は聞いたことがあると思います。
多くのネットショップオーナーは、このような表現に「うわあ、いいなあ。自分も自動販売機で収入を得られるんだったら是非やりたい!」と思ったことがあると思います。
で、す、が......
実際に「自動販売機的収入」を得られるようになったという話は、ほとんど聞いたことがありません。そう、幻想なのです。
自動販売機を目指してショップを運営するとどうなるか?
ズバリ......儲からなくなります。笑
なぜか考えてみると、一つの答えに行き着きます。
最初から自動販売機を目指して作ったショップというのは、最初の捉え方が「自動販売機」です。だから、「ひとけ」がしなくなります。
自動販売機を目指してサイトを作り始めると、「自動」の部分ばかりにフォーカスが言って、全てオートメーションで回るようなサイトを作るという思考が働きます。
だから無意識的に、人気をなくして、全て無人で回るように......と行動にまで影響が及びます。
結果、できたサイトには人気がしなくなります。
でもよく考えてみてください。
人気のないお店は繁盛しません。
それに、今回のような贈答品を探そう!というような人が、自動販売機で人屁の贈り物を探すか?という話です。
イメージすれば、自動販売機から、大事な贈り物を選んだり、「ここいち!」のセレクトをするでしょうか?
するわけがないですよね。
実際に、私たちとしては確かに「自動販売機的収入」が欲しいという気持ちがあるでしょう。ビジネスオーナーならば、誰もが一度は憧れる商売の理想形の一つだと思います。
しかし、ここは逆説の発想をしなくてはいけません。
自動販売機的収入を得られるようなサイトというのは、実は思い切り人の息や手あかがついたような、泥臭くてアナログなアプローチをふんだんに盛り込まなくてはいけないのです。
大なり小なり、多少なりとも成功を収めているネットショップで、人気を感じないショップはありません。
どこまでいってもインターネットというのは手段でしかなく、集客のためのチャネルでしかないのです。
その運営のためのマインドセット、もしくは哲学、概念、コンセプト、モットー...なんでも表現は良いのですが、「精神性」の部分は、オンラインであってもオフラインであってもなんら変わることはありません。
商売の原点は人にあり、なのです。
どうかこのことを努々お忘れなきよう、今日はこの教訓を胸に刻んで頂ければと思います。
原田翔太
- 地方にこそ、ネットで戦える素材が眠る。だから、実は地方こそネットショップには向いている。
- 地方特産物や「おみあげ」は全てネットで売れる最高の商材ネタである。
- 商品の「ギフト化」をすると、他人への「プレゼント」需要を吸収できる。あなたのショップには「ギフト」があるか?
- 「ギフト」は誰かに送るもの。送られたとき、嬉しくなる一工夫があるか?
- 梱包には、気持ちが宿る。梱包は地味だが確実にできるホスピタリティ表現のツール。
- 法事のような切迫感、緊急度の高いシチュエーションで、スムーズに選択ができるようなサポート体制を作るというのはおもしろい取り組みだ。
unitedlinks(2010年12月 9日 12:15)
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